必ずブランディング通になれる3分で読めるエッセイ〜ブランドのチカラ

ブランディング・コンサルタントの経験譚。Barで若きマーケーターとスコッチ飲んで話す気分で。ブランディング & マーケティング・コミュニケーションのあれやこれやを分かりやすく、自分の言葉で。

ブランディング

其の36 ブランディングは脳科学 ⑥

前稿では、直感(intuition、本能)は脳内に入ってくる刺激に相対して無意識下に複層的にストックされた感情が、同じ刺激に相応して発露するもので、私たちの意思決定に暗に、常時影響を与えているもの、という脳科学者ダマシオの説を紹介しました。 直感を…

其の (35) ブランディングは脳科学 ⑤

其の (34) に続けて、顧客の脳の無意識領域に爪痕を残すために、「ブランディング・ファンタジー」に加えてダリル・ウェーバーが示した2つ目の打ち手について、本稿では論を進めていきたいと思います。心と体を別のものとしたデカルトのとなえた「二元論」は…

其の34 ブランディングは脳科学 ④

マーケティング担当者にとっての王様は顧客の注目であるのは間違いないが、彼らが手をつくしてメッセージを作り意識的な注意を捉えようとすると、二つの問題が起きる、とダニエル・ウェーバー氏は著書「誘うブランド 」で書いています。ひとつは、注意が肝心…

其の(33) ブランディングは脳科学 ③

前回に引き続きダリル・ウェーバーの「誘うブランド」で提唱されているブランディングは脳科学との関係で考えられるべきであるという説を深掘りしていきたいと思います。なぜ深掘りするのか? そんなに脳が好きなのか?そうじゃないんです。多くの企業の幹部…

其の(32)ブランドは脳科学②

人にとって学校における勉強は試験をパスしたり成績を良くするために絶対必要で、脳が頑張って記憶する高関与型処理。あまり重要でない広告は意識的メッセージが記憶されない低関与型処理で、企業のマーケターが知恵を振り絞って作った訴求点は、残念ながら…

其の(31)ブランディングは脳科学 ①

ここ数回、ブランドを好意的に想起する合図となるブランド・ソーマを脳の意識下に埋め込むブランディングの話をしてきました。 繰り返しになりますが、ネスカフェ・ゴールドブレンドの違いがわかる男シリーズの「ダバダ〜」スキャット、ライオンの往年の名シ…

其の30 名曲のブランド・ソーマ

名曲が広告商品・サービスを想起させるブランド・ソーマとして際立っていたロングランCMシリーズを三つ紹介する。

其の29 関西電気保安協会のブランディング

大阪以外の人は殆どリアルには知らないはずの関西電気保安協会のブランディングを考察。 半世紀続いているふざけ倒したCMシリーズは、キンチョーの面白シリーズをつくってきた電通関西の通称堀井チームの仕事。 キンチョーのシリーズ同様、この「おふざけ」…

其の28 聴覚的なブランド・ソーマ〜RIZAPの場合

聴覚的なブランド・ソーマの好例として、RIZAPを取り上げる。あの特徴的なジングル音楽が実は強力なブランド・ソーマになっている。ネスカフェ・ゴールドブレンド「違いのわかる男」の「ダバダ〜」スキャットの現代版。

其の27 「トントン」というブランドソーマ

ライオンのエメロン・シャンプー&リンスの「見返り美人」ソーマについて前回は書きました。このソーマは半世紀近い時を経て、TikTokの「こっちを見ろ、こっちを見て」ポージングに再出現しています。これは視覚ソーマですが、今回は音楽やサウンドロゴ、つ…

其の26 見返り美人というブランド・ソーマ

「見返り美人」をフォーマットにしたライオンのヘアケア商品エメロンと、TikTokの「こっちを見ろ、こっちを見て」。50年を隔てて共通するブランド・ソーマ。

其の25 すしざんまいのマグロの初競はブランド・パブリシティのお手本である

すしざんまいを経営する(株)喜代村の木村清社長が毎年初競りで高価な大間のマグロを落札し、時節ネタでニュースに大きく取り上げられているが、これは実によく計算準備されたパブリシティ。チェーン上位3社のスシロー、はま寿司、くら寿司が500店舗上下の…

其の24 Branding の為のパブリシティ 

○ブランディングに寄与するパブリシティの在り方について。4つの原則。 ○好例として、岡山の倉敷中央病院のユニークな外科医研修生の選考のための適正判断テストを紹介する。

其の23 キンチョールのブランディングについての考察(大袈裟かっ!)

ネスカフェ・ゴールドブレンドの「違いのわかる男」シリーズと並んでロングランの日本のブランドCMには、キンチョーの半世紀以上にわたって続いている面白CMがある。そのブランド価値は何か?というお話。

其の22 広告ではブランディングはつくれない? 

ブランディングこそ広告で作るべきではないのか、と前回書きました。 ここはもう少し深掘りしたいところです。 ブランディングは広告ではつくれない、とするライズ親子の主張には続きがあるんです。 曰く、ブランドはパブリシティで作られ、広告でメインテナ…

其の 21 広告ではブランドは作れない、という説について

最近「ファンマーケティング」という言葉をよく聞きませんか? これまでの、企業からの一方的な商品特長のメッセージ発信では顧客の気持ちを動かせない、という反省から、顧客に寄り添いファンになってもらうという、つまり「ブランドのファンを作るマーケテ…

其の20「違いのわかる男」の何が違うのか?

https://youtu.be/FFwph7CkCb8 違いのわかる男 遠藤周作篇 pinterest.jp 「ブランディングで最も大事なのはConsistencyとContinutityである!」とは担当していた欧米クライアントの本社コミュニケーション・ディレクターから何度となく言われたことです。 正…

其の19 日本発のグローバル・ブランド、ゴジラについて考えてみた

ゴジラは富士山と並ぶ日本発のグローバル・ブランドである、という見立てを書いています。

其の18 富士山は最長の歴史のある日本最大ブランドである

日本人が古くから信仰ができるくらいに神聖なものと仰ぎ見る富士山。最長・最強ブランドとしての富士山について考察してみました。

其の17 広告代理店のフィー制度について (2)

前回のブログで、元外資系広告代理店JWTのクリエイティブ・ディレクターで、ネスレ日本のキットカットの受験生キャンペーンを手掛けた関橋さんの、外資系広告代理店の利益スキームについての発言を紹介しました。曰く「多くの外資系広告代理店は働いた時間に…

其の16 広告代理店のフィー制度について

メディア・スペースの売買手数料が利益の大半を占めている日本の広告代理店、ブランディング・クリエイティブへのフィーが重要な利益の柱となる欧米企業。日本は「メディア・スペース・ファースト」の歴史あり。

其の15 PR考 ②

PR会社コミュニケーションデザインの社長、玉木剛さんの著書「戦略PRの仕掛け方」の第1章のタイトルは「なぜ、マス広告は効かなくなったのか?」。 広告代理店の幹部、特にテレビや新聞のマス媒体の幹部が聞いたら血圧が上がりそうですが、玉木さんがこの本…

其の14 PR考

「広告の時代は終わった。これからはPRの時代だ。」とか「我が社はPRの部署を充実させて…」とかPRという言葉を実によく耳にします。宴会の場所ですら「自己PRを宜しく」みたいに言われて、もうPRという英語は「グルメ」とか「ホビー」とかという言葉と同じく…

其の13 ブランドはユーザーの神体験で神ブランドになる ②

アメックスがなぜ私の神カードへのブランドに昇華したのか? 個人的な経験譚を、昇華したその場にタイムワープして語ります。困ったときに助けてくれた人やブランドこそが自分にとって大事な存在になるという知見。

其の12 ブランドはユーザーの神体験で神ブランドになる ①

今日は私の個人的な神ブランドの話です。アメリカン・エキスプレス・カードです。(以降アメックスで) アメックス ホームページより ブランディングの有効な手段としてよく紹介されるのがExperience Marketing やUX(User Experience) Marketingです。文字…

其の11  グレイトフル・デッドの ブランド・ワールド 〜そうだったのか!〜

アメリカ人なら知らない人はいないアメリカの往年のロックバンド、The Greatful Dead. 大ヒット曲がないのにもかかわらず、彼らは比類なき集客力を誇るツアーバンドだった。その秘密をマーケティングの観点から解き明かす。

其の10 ハーレーダビッドソンのブランディングについて考察する(大げさかよ)

トランプ大統領の言う「Great America」の象徴のようなアメリカのモーターバイク、ハレーダビッドソン。この鉄の馬のようなバイクのブランド価値はバイクの性能にあらず、それは・・・

其の9 ブランドの構成要素

蜜蜂の巣から名付けられた正六角形を並べた形のハニカム構造。外部衝撃に強い構造形であり、現在多くの工業製品や建築材料に使用されている。ブランド構造に当てはめるのは秀逸也。ブランドの構成要素については、其の6で「外見」としてのfactorについて触れ…

其の8 ブランドという像・サービス篇

B-to-B サービスブランドのブランデイングについて。テーマはFeDexです。

其の7 続々 ブランドって何? ブランドという像

ユーザーの脳内に結ばれた像がブランド。商品・製品をテコに拡張した情緒的便益、Emotional Benefitがブランドです。そこに実体はありません。商品・製品は物体ですが、ブランドはそれを一部に取り込んだイメージの総体です。 電気髭剃りのブラウン・シェイ…