必ずブランディング通になれる3分で読めるエッセイ〜ブランドのチカラ

ブランディング・コンサルタントの経験譚。Barで若きマーケーターとスコッチ飲んで話す気分で。ブランディング & マーケティング・コミュニケーションのあれやこれやを分かりやすく、自分の言葉で。

其の2 はじめまして

 若宮正子さんと故鳥井信治郎

 

    文章を書きとめる癖をつけたくてfacebookを始めて10年。累積するとどれくらい投稿してきてのかな。きっと1,000投稿はしてるでしょう。少ない?

      一方で実はブログを始めようと思いつつグズグズしているうちに三年が経ってしまいまして。

  ブランディングについてのエッセイ。世間の言う「大手広告代理店」に新卒で入社して35年、一貫して業界ではマイナーと言われてきた海外畑、特に外資系企業のAccount Executive、プロデューサー型の営業をやってきました。

  この30年は一言でいうとクライアント( 広告主 ) からのブランディングにまつわる千本ノック。昭和語ですね、これ。要するに超絶厳しいご指導を頂いたという意味です。

 

  日本で言うブランドって、欧米クライアントやAgency ( 広告代理店)  の指すbrandとは理解の差が大きいんです。日本の企業が『うちのブランドは云々」と言うときは大概の場合、

「うちの製品、商品」を指している…と聞いても「何が違うの?」「一緒じゃん」と思う人が殆んどでしょう。 

   これについては、当ブログの主テーマなので今後しつこく書いていくつもりだけど、とにかく違うんです。(キッパリ☺️)  brand 至上思考の本場、欧米的に言うと全然違う。

 

     で、会社を早期退職してからブランディングマーケティング&コミュニケーション ( 長いから以後マケコミに略しますね ) のフリーランスプランナーをこの3年間やってきたんだけど、ずーっとブランディングについてのエッセイを書きたいという思いがくすぶっていたんです。

  何故くすぶってたかというと、ブランディング & マケコミの領域は多くの学者さんや著述家の方々が本を出されているので、正直躊躇していたわけです。

 「ブランディング千本ノック」を30年間受けてきたんですが、私は実践家 ( 実戦家の方がしっくりくるかな ) なので、理論立ててロジカルには説明できないしなぁ、と躊躇い続けてきた次第。

 

 でも、ある人の本を読んで目から鱗が落ちて、一念発起しました。

 シニア向けのiPhone ゲームアプリ「hinadan」を開発して、「世界最高齢のプログラマー」としてAppleのティム・クックCEOからWorldwide Developers Conference 2017に招待されて一躍時の人になった若宮正子さん、84歳。

   若宮さんの著作「60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります」を読んで気持ちが発火しました。

 女史が「パソコン」( 著書原文ママ ) を始めたのは御歳60代前半。好奇心は歳をとらないと言うマーチャン ( 若宮正子さんのハンドルネーム ) に、とあるご縁で、この本の裏表紙にひと言書いてもらいました。

 

   見たらそれは「とりあえず やってみる」でした。女史の人生指針の言葉なのでしょう。

 " 何事も最初のハードルは低く、が鉄則。短期的に見て、失敗だ、挫折だと決めつけるのは早すぎる。失敗はない。失敗なんかしない。みんな始めた時点で成功なんです。” 

( 「60歳を過ぎると、人生はだんだんおもしろくなります」より )

 

   この本を読んで発火していた時に、とある大経営者の名言が頭にポッと浮かびました。

 

  故鳥井信治郎サントリー初代社長が常々口にしていたという言葉「やってみなはれ」。時を超えて私の脳内でスパークした二つの名言、「やってみなはれ」と「とりあえず やってみる」。

 

 対をなしてますね。Just do it  & I’ll try anyway. で、筆を執った次第です。正確にはiPadを開いた次第。

 

 ところでブログになに書くの? 誰に向けて書くの?

 30年余にわたり branding-driven ※ なプランニング作法を欧米外資系クライアントから骨の髄まで叩き込まれたので、ブランディング構築の実践についてはいささか自信があります。

 

 でもブランド価値についてだ、ブランディング構造についてだ、というような「ブランド学」的な話じゃなくて、実践的・実戦的な本音の話をしたいんですね。

 これは長年実際の場で倒けつ転びつ ※ してリアルに学んできた自分だからこそできる話じゃないかと思った次第。

 

 メーカーやマーケターにとってブランドは宝です。金 ( gold であり、money ) です。ブランドを創り上げるブランディングは言うなら錬金術

 怪しげな意味じゃなくて、それだけ難しく価値ある事という意味ですが。

 だから私のこれから語っていくブランドは「ブランド学」じゃなくて「ブランド術」になります。

 


   発信源のメーカーから受信者の消費者への情報伝達が一方通行だったpre-internet webの時代には、ブランディングはマス広告に頼らざるを得ませんでした。

 

 Internet webで皆が繋がった今だからこそ、広告費が無くても街のパン屋さんだって、工務店さんだってちゃんとブランディングをすれば継続的に売上を伸ばすことが可能だと確信します。

 Brand ※は持続可能な力を持ちますから。

 

   で、実例を中心に、自分の経験や参考になる著作、論文などの紹介を次のような人たちにシェアしたいと思ってます。

 

◯ ひととおり仕事を覚えてこれから応用編で活躍していくであろう会社勤務10年目くらいの悩み多きマーケターたち。
◯ 独自の技術、強みがあるけど、それをうまく表現できず頭を悩ませている中小零細企業の経営層や街の小売店屋さん…etc

 

    先に述べた通り、brand は持続可能な力になります。 Use the branding force!

 

     次回は「で、ブランドって何?」(多分)

 

※ (注)

⚫︎ branding-driven…-drivenは「重きを置く」という意味。ここでは branding 重用って意味です。Consumer-driven marketing だと消費者優先マーケティング。便利ですね、-driven。

 

⚫︎ 倒けつ転びつ…こけつまろびつ、ご存知の通り倒れたり転んだり=失敗を繰り返すという表現ですが、漢字にするとこう書くんですね。知らなかった。小学五年生でも知ってるのかな?☺️

 

⚫︎ brand...物質としての商品・サービスの事ではありません。追々。

 

 

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