前稿のプリウスに続いて、本稿ではレクサスについて書きます。
皆さんにとって、レクサスってどんなブランドですか?
私にとっては、これ結構特別なブランドなんです。いまだに買ったことはないんですけど。
高級車*1と言えば、西独のメルセデス・ベンツ、BMW、Audiの三ブランドが定番ですよね。
御三家それぞれが確固たるブランド・イメージを持っている。
メルセデス・ベンツの「成功者の車」、BMWの「Fun to Drive」、Audiの「先をいく」。
自分は昭和世代なので、どうしてもAudiは裕福な家の女子大生が乗り回す赤いAudiを連想してしまうので、いくら「先進性」のtechnology-drivenな車と言われても先入観を払拭できません。😁
これって実は大事なところです。試験に出ます。☺️
ブランドって一度脳内に棲みつくと、簡単には変わらないんですね。とても効率が良いとも言えるし、ネガティブに考えると大変厄介です。悪いイメージが根付くと、いくら良いことをその後言っても脳は聞いてくれないんです。
話を戻します。その御三家のブランド・イメージとレクサスの私のイメージは明らかに違います。
私の脳内に棲みついたレクサスのそれは「You deserve」、貴方にふさわしい、なんです。主は「貴方」、つまり私にあります。
私の考えでは御三家は、いわば主は車にあるような気がします。
レクサスの「You deserve」、これはなかなか受けの広いプロポジションと言えます。
顧客は年収が2、3千万の優秀なビジネスマン、はたまたファッション・デザイナー、建築家、弁護士、医者・・・whoever, 何かを成し遂げた人。
そんな「ひとかどの人物」である貴方(あなたが主です)にふさわしい車、それがレクサスです、というプロポジションを取っているんだと思います。
メルセデス・ベンツもBMWも主は車にあるように思えてなりません。メルセデスに乗るにふさわしい貴方なんですか?と・・・上から目線。😁
私はレクサスと聞くとまずこの逸話を思い出します。
北米で成功を収めたトヨタ初の高級車ブランド、レクサスを逆輸入的に日本に導入する際、トヨタは販売店の店員におもてなしの心を叩き込むために、独自のクレド*2を持つ高級ホテルの「リッツ・カールトン」で研修をしてもらった。
それまでも、ディラーでのサービスはA社がいい、B社はダメだ、と巷語られることはありましたが、「おもてなし」のレベルでレクサスが取り組んでいるというのはとても印象的で、記憶に焼きつきました。
他にも、販売店での接客のために店員は小笠原流礼法の研修をした・・等の全ての逸話が比類なきレベルの「おもてなし」に集約していきます。
ブランディングの要点はConsistencyとContinuityと言われますが、まさにレクサスは2005年の日本市場ローンチ時にConsistencyを顧客全包囲で展開していました。
16年経った今でも同様のハイクォリティの顧客への「おもてなし」は継続中ですから、Continuityも担保されているわけです。
レクサスは大衆車のトヨタ・ブランドから離れてメルセデス・ベンツやBMWのような高級車に匹敵する品質と安全性を追求し、尚且つ日本車ならではのきめ細かい仕上げと経済性を両立したブランドであり、これがアメリカで受け入れられ成功したことはよく知られています。
でもレクサスはマシーンとしての車の性能がどうだとか、内装のクオリティレベルがどうだとか、経済合理性がどうだとか、そうしたピースバイピースの話ではなくて、全体としてこのブランドが放つオーラがあったのだと確信します。
ブランド・オーラというのは、マシーンとしての完成度の高さも含めて全てが「You deserve it、貴方にふさわしいこの一台」という閃光を顧客に放ってくるということです。
今はメルセデスに乗っているんですが、本音の本音は、できるなら一台目をメルセデスに替えてこのオーラを放つレクサスに、セカンドカーとしてプリウスを持ちたいです。。。チェックの厳しい妻が許してくれませんが。😭
メルセデス・ベンツの直系代理店のシュテルンはVクラスに乗っていた時に通いましたし、今のBクラスを買ったヤナセには折に触れて顔を出しています。
ところが、近所にあるレクサスの販売店は、シュテルン、ヤナセのはるか上を行くオーラを放っているんです。一流ホテルや高級フレンチレストランのエントランスのような。
気になります。すごく気になる。
「ひとかどの人物」認定を自分に与えられるようになったら、ここへいきたいと思います。😁
まだ認定は上げられませんが。もう少し頑張ろー。