必ずブランディング通になれる3分で読めるエッセイ〜ブランドのチカラ

ブランディング・コンサルタントの経験譚。Barで若きマーケーターとスコッチ飲んで話す気分で。ブランディング & マーケティング・コミュニケーションのあれやこれやを分かりやすく、自分の言葉で。

ブランディング

其の65 広告の見巧者

見巧者(みごうしゃ)という言葉があります。 歌舞伎、能などの古典劇や芝居などの決まりごとや背景に精通しているひとを指します。 多くのだしものを観て、知識を身につけていると、より深く芝居、劇を楽しめるという暗黙の了解が前提。 誰もが等く、知識量…

其の64 昭和の名ブランディング〜無責任男・植木等というブランディング〜

前回の水木しげるの妖怪ブランディングに引き続き、今回は植木等というブランディングについて・・・こいつアタマおかしいのか、とは言わずちょっと我慢して読んでみてください。☺️ 特定のブランド連想に導くキービジュアルだったり、キーサウンドなどのフッ…

其の63 昭和の名ブランディング〜水木しげる〜

ブランディングの話で水木しげる?と訝るひとが多いと思います。そうですよね。水木しげると言えば稀代の漫画家、妖怪をテーマにした独特の作風で知られた方です。 氏の奥様の武良布枝さんの自伝的エッセイ「ゲゲゲの女房」、NHK連続テレビ小説にもなりまし…

其の62 昭和の名ブランディング・Music Player ②

>初代Walkmanラジオ講座を聴かねばならぬと親を説き伏せて(脅して?)買ってもらったラジオ*1が私にとっての最初のMusic Playerだったと前回書きました。ラジカセはまだ高くて手が届かず、専らリアルタイム聴取しかしていなかったわけですね。 高校の頃はラ…

其の61 昭和の名ブランディング・Music Player

グラモフォン(蓄音機)音楽再生機器、英語ではMusic Playerというのでしょうか、これは音楽の記録ソフトの変遷と歩みを合わせて進化してきました。 表裏一体。世界で初めて再生可能なレコードを1877年に発明したのはエジソンでフォノグラフと呼ばれました。…

其の60 昭和の名ブランディング・「パパ良かったね」

アデランスTVCMよりブランドの目指す「志」をスローガンにしたものをブランド・スローガンと言いますが、表現の場において、ブランド名の近くに置かれたものをショルダー・コピーとかタグラインと呼びます。日本ではブランディングは商品そのものよりも、企…

其の59〜昭和の名ブランディング〜ダルマといえば〜

サントリーホームページより 「ダルマ」というニックネームで男性に親しまれてきたサントリーの名ウィスキーがあります。サントリーオールドです。 数多くのCM曲や歌謡曲を創り出してきた巨漢の名作曲家、小林亜星さんが先頃逝去されました。*1 レナウンの「…

其の58〜昭和の名ブランディング〜ケンメリ・・・

[ 前稿ではTOYOTAのフラッグシップ車種のクラウンについて書きました。このクラウンの登場から2年後の1957年、日産自動車とのちに合併するプリンス自動車が富士精密工業と名乗っていたときに生産を開始した日本の名車がスカイラインです。スカイラインは2021…

其の57 昭和の名ブランディング 〜いつかは・・・〜

>TOYOTA ホームページよりLexusのブランディングについて書きました。LexusはTOYOTAというコーポレート・ブランドからイメージを切り離して、独自の高級車路線を米国で確立することに成功し世界にその名を馳せることになった名ブランドですよね。世界のネス…

其の56 昭和の名ブランディング 〜男は黙って〜

>映画.com こんなクイズがあったら、昭和30年代前半に生まれた男子ならば即答できるでしょう。昭和31年生まれの貴方、正解です。 そうです。サッポロビールです。まずはこのTVCMをご覧ください。 youtu.be どうでしょう。前稿で8篇にわたってご紹介した日…

其の55 昭和の名ブランディング〜ミスタードーナツ ②

>walkerplus.comよりミスタードーナツ 、以下ミスドに省略します、ミスドのTVCMが1985年に登場した明石家さんまと片桐はいりの共演したCMからガラリと変わったと前回書きました。そして続いて、若き日*1のダウンタウンが出演します。このTVCMが持つ独特のテ…

其の54 昭和の名ブランディング〜ミスタードーナツ ①

ミスタードーナッツ・ホームページより 箕輪第一号店創業当時前稿まで8篇を費やして、梶祐輔氏(日本デザインセンター創立メンバーの一人)が名著「広告の迷走」で繰り広げた日本の広告の有り様についての手厳しい批判と直言、提言をご紹介してきました。 氏…

其の53 ブランドを語った偉人たち〜梶 祐輔 ⑧ 終章〜

「アメリカのブランド観」というタイトルで梶さんは、数多くの広告理論同様、ブランド理論はアメリカで生まれたと紹介しています。ブランドは資産であるという考え方を展開したのは、マーケティングを生業としているひとなら周知のディビッド・アーカー*1教…

其の52 ブランドを語った偉人たち〜梶 祐輔 ⑦〜

中長期的な視点でのブランディングをするに障壁となる、日本の組織的な問題について、梶氏は伊藤邦雄・一橋大学名誉教授の名著「コーポレートブランド経営」から以下を引用しています。 環境変化が従来とは比較にならないほど不連続で不透明な時代には、ミド…

其の51 ブランドを語った偉人たち~梶 祐輔 ⑥~

梶氏は著書「広告の迷走」の中で、広告はアドバタイジングとプロモーションに切り分けられるべきで、アドバタイジングは社の長期的な意思を示し消費者からの共感を得て共に成長するもの、プロモーションは短期的な営業目標を達成するその時限りの戦術的施作…

其の50 ブランドを語った偉人たち〜梶 祐輔 ⑤〜

SONY 新Walkman TVCMより(1987) なかには素晴らしい15秒スポットもあるのだ ここまで、ぼくは日本のテレビコマーシャル、なかでも15秒スポットに対して、悪口雑言の限りを書きつらねてきたのだが、もちろん、この国には、鮮烈で、感動的で、一度見る…

其の49 ブランディングを語った偉人たち~梶 祐輔 ④~

前稿で、日本の広告をダメにしたのは制約のある15秒TVCMという形態と、 其の短い秒数でインパクトを最大限にする為にほとんどのTVCMがタレント依存型の ものになってしまった、とする氏の批判を紹介しました。タレントCM*1の何が悪いと氏は言っているのか。…

其の48 ブランディングを語った偉人たち〜梶 祐輔 ③〜

>広告の迷走 梶 祐輔 著(宣伝会議 2004年発売) 広告表現形式であったと断言しています。梶氏の辛口批評を要約引用します。 テレビコマーシャルは広告主数社が、或る番組を買切り、その中にCMを入れるのがオーソドックスな方法。それ以外に番組から番組の間…

其の47 ブランドを語った偉人たち〜梶 祐輔 ②〜

>「広告の迷走」梶 祐輔 著 (宣伝会議 2004年発売)*1の真髄だと直感していた梶さんは、商品名を連呼する、たった15秒のTVCMにメッセージを詰め込む当時の状況に嘆き、憤怒を著書に認めました。それは次回に...というところで前稿は終えました。本稿はそ…

其の46 ブランドを語った偉人たち~梶 祐輔 ①~

広告の迷走 梶 祐輔 著 (宣伝会議 2004発売) 僕は広告は、その会社がどういう「熱い思い」をこめて会社をやっているのか、どういう「熱い想い」をこめて商品を作っているのかを、本心で語るべきだと思っている。 「熱い想い」は、イメージではない。それは…

其の45 ブランドを語った偉人たち 〜藤岡和賀夫 ③〜

「私には夢がある 2016年東京が変わる」*1という本があります。藤岡和賀夫さんが2009年に上梓した本です。これって、言ってみるならオリンピック誘致を機に東京のリブランディングをという提案だったんです。 2016年東京オリンピック誘致を当時の石原都知事…

其の44 ブランドを語った偉人たち〜藤岡和賀夫 ②〜

左:大阪万博・太陽の塔 右:富士ゼロックス TVCM 前稿に続き稀代のプロデューサー故 藤岡和賀夫氏について書き進めたいと思います。氏の仕事で私の記憶に強く残っているのは何と言ってもJR(当時国鉄)のDiscover Japanキャンペーンと富士ゼロックスの「モ…

其の43 ブランドを語った偉人たち in Japan 〜藤岡 和賀夫〜

富士ゼロックスの「モーレツからビューティフルへ」TVCM(1970) ブランドを無形の資産*1として学者やマーケティング専門家が語り、研究し始めたのは1980年代の米国でした。 著名な学者にはかのマーケティング学の泰斗ディビッド・アーカー教授がいます。 と…

其の42 Lexusというブランド

INTERSECT BY LEXUS (Lexus 公式ページ)前稿のプリウスに続いて、本稿ではレクサスについて書きます。 皆さんにとって、レクサスってどんなブランドですか? 私にとっては、これ結構特別なブランドなんです。いまだに買ったことはないんですけど。 高級車*…

其の38 ブランディングは脳科学 ⑧

ブランド・ソーマの話、本稿でひとまず区切りを付けたいと思います。もう8稿目ですからね。早く結論を言え!とイラつくマーケターの顔が浮かびます。 結論から言うと、最強のブランド・ソーマってエリック・デュ・プレシシスの表現する「ドーパミンな瞬間」…

其の37 ブランディングは脳科学 ⑦

前稿に引き続き、本稿ではエリック・デュ・プリシス*1の著書 The Branded Mind*2について筆を進めたいと思います。 とりわけ私が本書で最も刮目した氏のとなえる「ドーパミンな瞬間」についてです。 脳科学者ダマシオがとなえた人の無意識の行動を誘発する、…

其の36 ブランディングは脳科学 ⑥

前稿では、直感(intuition、本能)は脳内に入ってくる刺激に相対して無意識下に複層的にストックされた感情が、同じ刺激に相応して発露するもので、私たちの意思決定に暗に、常時影響を与えているもの、という脳科学者ダマシオの説を紹介しました。 直感を…

其の (35) ブランディングは脳科学 ⑤

其の (34) に続けて、顧客の脳の無意識領域に爪痕を残すために、「ブランディング・ファンタジー」に加えてダリル・ウェーバーが示した2つ目の打ち手について、本稿では論を進めていきたいと思います。心と体を別のものとしたデカルトのとなえた「二元論」は…

其の34 ブランディングは脳科学 ④

マーケティング担当者にとっての王様は顧客の注目であるのは間違いないが、彼らが手をつくしてメッセージを作り意識的な注意を捉えようとすると、二つの問題が起きる、とダニエル・ウェーバー氏は著書「誘うブランド 」で書いています。ひとつは、注意が肝心…

其の(33) ブランディングは脳科学 ③

前回に引き続きダリル・ウェーバーの「誘うブランド」で提唱されているブランディングは脳科学との関係で考えられるべきであるという説を深掘りしていきたいと思います。なぜ深掘りするのか? そんなに脳が好きなのか?そうじゃないんです。多くの企業の幹部…